スパイスカレーの『乳化』について③~『乳化』『非乳化』のコントロール~

どうすれば『乳化』と『非乳化』をコントロールできるの?

『乳化剤』のついて
スパイスカレーの話に入る前に、『乳化』させる際に大きな働きをする物質についてお話しします。

 

それは『乳化剤』です。

 

『乳化剤』の働きはいろいろありますが、簡単に表すと、
①『乳化』しやすくすること
②『乳化』の状態をキープすること
です。
『乳化剤』には、人工的に作られたものと自然界に存在するものがあります。
天然の『乳化剤』には、
パスタの茹で汁の中にあるデンプン
マヨネーズでは卵黄に含まれる卵黄レシチン
チョコやマーガリンに使われる大豆レシチン
牛乳に含まれる乳カゼインナトリウム
などがあります。

 

スパイスカレーの『乳化剤』について
スパイスカレーで使う材料の中に、『乳化剤』を含むものはあるのでしょうか?

 

『乳化剤』を含む主な材料について調べてみました。

 

スパイスでは、パプリカ、マスタードシード。
その他の材料では、肉類、醤油、ヨーグルトやバターなど乳製品。
ココナッツミルクは、無添加なら含まれていません。

 

含有量までは調べられませんでしたが、肉類にも含まれているんですね。どうやら全てのタンパク質に『乳化剤』としての働きがあるようです。
調理の仕方で『乳化』『非乳化』をコントロールしよう
『乳化剤』が含まれていないから、『乳化』できないというわけではありません。逆に『乳化剤』が含まれていても『非乳化』にできます。

 

ポイントは、調理の仕方です。
『乳化』させるための調理方法は以下の通りです。

 

①水分を油分に少量ずつ加えていく
水分を少しずつ加えることで、安定して乳化が進みます。
②よく混ぜる
イタリアンドレッシングは振ると『乳化』します。それと同じです。
③油分と水分の割合を調節する
油分が多いほどとろみが強くなります。しかし、油分が水分の3倍を超えると乳化しにくくなります。パスタソースでは、油1:12程度で調節するそうです。
④油分と水分の温度差を減らす
最適温度というのはありませんが、油分が固まらず、水分が蒸発しない範囲が良いようです。低すぎず高すぎず、温かいぐらいの温度で。また油分と水分の温度差が大きいと、乳化しにくいです。

 

『乳化剤』が含まれていないと、分離が進みやすくなります。また『乳化剤』が含まれていれば、分離が進みにくくなりますが、最終的には分離してしまいます。
『非乳化』にしたいときは、上にあげたことと逆のことをすると良いです。
①水分をすべて一気に入れる
②混ぜない
③油を多めにする。
④水分は冷たい状態で入れる
これでコントロールできます!

 

スパイスカレーの『乳化』『非乳化』は自由です。
でも、『乳化』『非乳化』を思うがままにコントロールできたら、いろいろな味わいのスパイスカレーが生み出せそうな気がします。
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