スパイスと素材の相性を調べてみた!
この素材にはどんなスパイスが合うのかな?
今日は、具材とスパイスの相性について調べてみます。
スパイスも具材も、それぞれ特有の風味を持っています。
素晴らしいスパイスの配合を見つけても、
使う具材によって、風味が喧嘩してしまう組み合わせや、
逆に、相乗効果を生み出す組み合わせがあります。
僕自身は、
味見してみて、感覚的に合う合わないを判断していたので、
今回で効果的な使い分けができるようになりたいと思います!
上から、
〇肉の臭み消し
〇昔からある定番の組み合わせ
〇素材とスパイスのおすすめ組み合わせ
と並んでいますので、
手っ取り早く活用したい方は、「素材とスパイスのおすすめ組み合わせ」をご覧ください。
〇肉の臭み消し
ニンニク・・・ニンニクの細胞を破壊することで発生する刺激臭を持つ成分「アリシン」は、肉類のたんぱく質に作用にして、臭みを消してくれます。しかし、熱が加わると別の成分に変わってしまうので、下ごしらえの時に肉に塗る、肉の調理途中に加えるのが望ましいです。ちなみに「アリシン」は玉ねぎやネギにも含まれています。
ナツメグ、メース・・・香りの有効成分が肉の臭みをマスキングしてくれます。香りの強さは、ナツメグ>メースです。一般的には、ハンバーグなどの挽き肉料理に使われることが多いです。多すぎるとナツメグ臭くなってしまうので、他のスパイスと一緒に使うのがコツです。挽き肉に使う時は、混ざ込み玉ねぎと一緒に使うと、肉の臭みとナツメグ臭さの両方を抑えることができます。また、香りの傾向が似ているシナモンやクローブ、オールスパイスと併用すると、ナツメグ臭さを弱められます。
クローブ・・・有効成分「オイゲノール」が臭み消しの作用を持っています。ただ、香りがかなり強いので、入れすぎ注意です。入れすぎると歯医者さんくさい料理になってしまいますので(笑)加熱によって香りが弱まるので、調理の初めの方に入れると良いです。ひき肉にパウダーを練り込んだり、肉にホールを突き刺したりして使います。
ペッパー・・・胡椒は、日本でも昔から使われている臭い消しのスパイスです。マスキング作用がありますが、実は使うタイミングにコツがあります。僕もそうですが、肉を焼く前に、塩コショウをしますが、これは実は胡椒の良いところをスポイルしてしまう使い方です。胡椒は、肉と一緒に加熱すると焦げてしまい、風味が損なわれたうえに苦味の素になっていしまうそうです。なので、胡椒を振るのは、焼きあがってからがベストのようです。
ショウガ・・・有効成分「ジンゲロン」が消臭作用を持っています。日本では豚の生姜焼きが有名ですが、生ショウガには肉を柔らかくする効果もあるそうです。
セージ・・・「ソーセージ」のセージです。「ソー」は豚肉のことなので、昔から豚肉の臭み消しに使われてきました。しかし、アメリカでは鶏料理に、イタリアでは肉全般に使われます。豚肉をはじめ、鶏肉、牛肉、羊肉、レバー、イワシなどの脂が多く癖の強い魚にも合います。
ローズマリー・・・鶏肉、豚肉、羊肉など肉料理、魚料理によく使われますが、カリフラワーやジャガイモ、カブなどを煮込む野菜料理にも合います。ホールは、一緒に焼いたり煮込んだりして、調理後食べても大丈夫です。フレッシュの場合は、青臭いので食べないようにします。
タイム・・・肉類も使いますが、特に魚の生臭さ消しに使われます。
パクチー・・・例の香りで肉の臭みを圧倒します。台湾から東南アジア、インドで多く使われており、フレッシュを振りかけたり、添えたりして使われます。僕はいりませんので、抜きでお願いします。
ローリエ・・・肉や魚を煮込むときに一緒に入れると効果的。長く煮込むと苦味が出てくるので注意。
〇昔からある定番の組み合わせ
・バジルとトマト・・・ピザの定番「マルゲリータ」でも見られる組み合わせです。トマトの風味を生かしたカレーに、使えそうですね。
・オレガノとトマト・・・僕はあまりなじみが無いのですが、地中海の方では定番の組み合わせだそうです。
・ジンジャーと豚肉・・・「豚の生姜焼き」ですね。先ほども書きましたが、「臭み消し」&「柔らかくする」効果の合わせ技です。すごい!
・スターアニスと豚肉・・・中華の豚の角煮「トンポーロー」の組み合わせです。
・セージと豚肉・・・いわずと知れた「ソーセージ」です。
・ナツメグと挽肉・・・「ハンバーグ」の組み合わせ。
・フェンネルと魚・・・フェンネルは「魚のハーブ」という別名を持つくらい相性がいいです。
〇素材とスパイスのおすすめ組み合わせ
エスビー食品株式会社のHPに、『素材との相性』という記事(リンクは参考資料↓)がありました。
それを土台に、私が調べた内容を追加したリストを作成しました。
素材 | スパイス・ハーブ |
牛肉 | クローブ ペッパー ガーリック オレガノ ナツメグ |
豚肉 | スターアニス ジンジャー セージ 山椒 マスタード クローブ |
鶏肉 | ローレル ジンジャー シナモン バジル マスタード |
羊肉 | オールスパイス クローブ ローズマリー セージ マスタード ミント |
青魚 | ジンジャー ガーリック フェンネル オールスパイス セージ |
白身魚 | ジンジャー フェンネル バジル |
甲殻類・タコ・イカ | ジンジャー ガーリック タイム |
トマト | バジル オレガノ |
さらに詳しい組み合わせは、水野仁輔さんの『いちばんやさしいスパイスの教科書』に載せられています。ものすごいデータの量ですよ!
さて、いろいろ調べて、「この素材に対して、このスパイスがいい!」ということや、
効果的な使い方など、わかったこともたくさんありますが、
カレーを作るときは、スパイスは単品で使うことはありません。
やはり、「素材と一つのスパイス」だけでなく
「スパイスとスパイス」の相性も知っておく必要がありそうです。
それについては、また別の機会に!
<参考資料>
・エスビー食品株式会社HP『素材との相性』
・『スパイスの科学』 武政三男 河出文庫
・『スパイス名人宣言』 朝岡勇 朝岡和子 雄鶏社
・『ハーブとスパイスの図鑑』 エスビー食品株式会社 藤沢セリカ マイナビ
・『ハーブ&スパイス事典』 伊藤進吾 シャンカール・ノグチ
・『いちばんやさしいスパイスの教科書』 水野仁輔
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