豚肉の話 ~栄養や部位ごとの特徴について~
安くて美味しい豚肉のことをもっと知りたい!
豚肉が美味しすぎて、今回は豚肉について調べたくなりました。
豚肉のことをよく知って、よりおいしく食べられるようになればいいなぁと思います。
〇豚肉に含まれるの栄養は?
良質のたんぱく質と脂肪とビタミンB1が主な栄養分。その他、ビタミンA、B2、D、ナイアシン、鉄などが豊富。
脂肪には、血液を綺麗にしてくれる不飽和脂肪酸が含まれている。でも鶏や牛に比べて、脂肪が多いので摂りすぎには注意。
ビタミンB1は、鶏や牛にはない栄養素で、疲労回復や糖質をエネルギーに変換に活躍する。米が主食の日本人にはうってつけなので、カレーライスに豚肉はとても相性がいい組み合わせといえる。ビタミンB1は、ロースとヒレに多く含まれている。
〇豚肉の部位ごとの特徴と向く料理
・バラ
肋骨周辺の腹部分の肉。赤身と脂肪が層になっていて、三枚肉とも呼ばれている。肉のきめはやや粗いが、固くはない。赤身と脂肪の層が同じくらいの厚さのものが良質。スペアリブは骨付きのバラ肉のこと。
→角煮・ベーコン・シチュー・カレー
・ロース
背中の中央部分の肉。味に癖はないが脂肪に特有の香りがある。加熱時に赤身に香りが移り、味わいを深める。脂肪が一定の厚さでついている物がよい。ヒレの次に高価。
→カツ・ステーキ・生姜焼き・しゃぶしゃぶ
・もも肉
後ろ足の太い部分の肉。脂肪はほとんどなく全体が赤身。内ももとその下の「しんたま」という部分は、柔らかい赤身で大きい塊の肉で、肉自体の味わいを楽しむ料理向き
→焼き豚・ステーキ・焼肉・カツ
・そともも
多少きめが粗く、赤色が濃い目。
→炒め物・ハム
・肩
肉のきめはやや粗く、筋肉間に脂肪が多少ある。煮込むとコラーゲンがゼラチン化して柔らかくなる。
→焼肉・炒め物・豚汁・煮込み
・肩ロース
肩の部分の背中よりの肉。程よく脂肪があるので風味があり利用範囲が広い部分。ロースよりコクのあるジューシーな味わいが楽しめる。ロースほど高くない。
→焼肉・カツ・炒め物・ゆで豚・チャーシュー・シチュー・カレー
・ヒレ
ロースの内側に左右一本ずつある棒状の部分の肉。脂肪がほとんどないので、芳香やコクは少ないがしつこくなく上品な味わいがする。きめが細かく柔らかいので、煮込みには向かない。全体の2%しかなく高価
→ステーキ・カツ
〇加工の仕方による違い
・薄切り・・・焼く調理では脂肪は落ちないので、脂肪が多すぎないものを選ぶと良い。厚めは生姜焼き、やや厚目は炒め物、薄目やしゃぶしゃぶに向く。
・小間切れ・・・肉の形を整えるときに切り落とした部分を集めたもの。厚さや大きさがバラバラでいろいろな部位が混ざっている。
・切り落とし・・・特定の部位を一定の厚さで切り落としたもの。スーパーなどでは、ひとつの部位のみで売っていることはあまりなく、複数の部位がまざっている場合がほとんど。
・ミンチ・・・いろいろな部位を挽いたもの。特に記載がない場合は、複数の部位がミックスされている。
〇上手な豚肉の選び方
赤身部分・・・①艶がある②淡い灰色がかったピンク色
脂肪部分・・・①白か乳白色 ②粘りがある
・赤身と脂肪の境目がはっきりしているもの
・ドリップが出ていないもの
・かたまり肉は、だらけていないしまりの良いもの
・赤身部分は、鮮度が落ちると、ピンク色が退色し灰色が強くなってくる。さらに時間がたつと、黒みがかり青みを帯びてくる。
・豚はほとんどが畜舎飼いなので運動量が少なく、部位のよる固さの差は、鶏や牛より少ないので、脂肪の量や肉質で料理に合うものを選ぶと良い。
〇いつか使いたいブランド豚
一般的に豚肉に限らず肉の美味しさは、
「味」「香り」「食感」の3つの要素から成り立っている、
といわれています。
豚の生産業者さんたちは、それぞれのベストを目指して、
環境を整え、血統を維持したり、交配したりと様々な工夫をされています。
その中で、一定基準を満たす高品質のもの(客観的な品質評価基準はないようです)が産み出され「ブランド豚(銘柄豚)」として、一般的な豚肉と差別化されます。
その一部の特に有名であったり、
いろいろなサイトでも取り上げられている「ブランド豚」を紹介します。
※豚の説明分は「ぐるたび」引用
・『鹿児島黒豚』
黒豚は江戸時代初期に、薩摩藩の初代藩主島津家久によって沖縄から移入された。
黒豚の名が全国に広まったのは幕末から明治にかけて。
幕末の水戸藩主徳川斉昭を「いかにも珍味あり、滋味あり、なによりも精がつく」と感嘆させた。
あの西郷隆盛もこよなく愛したと言われている。
このように歴史に育まれた鹿児島黒豚は、筋繊維が細かく、肉質のしまりに優れている。
そのため、歯切れがよく独特の小味があり、他では味わえない美味しさで大好評なのだ。
鹿児島黒豚は、鹿児島が品質、生産量ともに誇れる特産品である。
・『阿波ポーク』
“阿波ポーク”とは、徳島県が独自開発した“アワヨーク”に、ランドレース種とデュロック種を3元交配させて作った高品質の豚肉である。
阿波ポークの飼育は、県下の農家だけ携わり、協議会により定められたマニュアルに基づいて行われる。
抗生物質などは一切使用せずに、鳴門金時や米を飼料にして育て、その中からさらに厳選した豚のみをじっくりと時間をかけて育てることで、バランスの良い肉質と、旨みが凝縮された脂身を持つ阿波ポークとなる。
阿波尾鶏・阿波牛とならび、阿波畜産の3大ブランドのひとつにも挙げられている。
・『黒部名水ポーク』
黒部市内の養豚農家により育てられる「黒部名水ポーク」は、富山県産豚の中でも特に優良品種を掛け合わせたもの。
豚は水質の良さが肉質に大きく反映されるといわれるが、この豚には黒部川扇状地の伏流水と竹酢を混ぜた独自の飼料を食べさせている。
良質の水で育つこの豚は適度な脂肪を含んでおり、きめ細かいやわらかな肉質が大変美味である。
「黒部名水ポーク」として出荷されるのは総生産量の1~2割程度に厳選されていることも、このブランドへの信頼につながっている。
・『平牧三元豚』
酒田市の「平田牧場」で開発された“平牧三元豚(ひらぼくさんげんとん)”は、3種類の豚を掛け合わせた「三元交配豚」である。
肉質を重視した系統の豚を掛け合わせることで、最高級のもち豚を誕生させた。
エサは非遺伝子組み換えの植物性飼料に、減反田で作ったお米をエサに加え育てるなど、徹底的なこだわりで、“平牧三元豚”は「こめ育ち豚」として高い品質を保っている。
その味は、あっさりとしていてコクのある甘さの脂身と、繊維がきめ細かく、弾力のある肉質が特長だ。
調べてみると、とてもたくさんの「ブランド豚」がありました。
どの「ブランド豚」も、その土地ならではのものを活かしたり、人の手が加わったものを与えなかったりと、生産者さんたちのこだわりの工夫がされていることが分かります。
〇さいごに
今回は、豚肉の栄養や部位ごとの特徴、豚の種類について調べてみました。
今後はレシピを考えたり、買い物したりするときに、
以前とは、違った見方ができそうです。
<参考資料>
・日本ハム「お肉を筋切りする理由」
・エバラ食品「お肉の部位の特徴」
・レタスクラブ「豚肉の基本情報」
・仙台牛・肉のみやび「切り落としとこま切れの違いってなんだか分かりますか?」