スパイスの成分を活かすためにすべきこと

スパイスの成分を油に移すときの火力は、強火?中火?弱火?

スパイスの仕事は、料理に「香り・色・辛み」を加えることがメインです。これはスパイスが持つ成分によって働きが変わります。クミンなら香り、ターメリックなら色、カイエンペッパーなら色と辛み、という感じです。

 スパイスの成分を活かしてあげるためには、工夫が必要です。例えば、スパイスカレーを作るとき、初めにスタータースパイスを油にいれて加熱します。このとき、火力は弱火にしますよね。それはなぜなのでしょうか?そして、実際どれぐらいの温度が適正なのでしょうか?さっそく調べてみました。

 スパイスごとの適正温度

 スパイスの種類によって、成分を抽出するときの適正温度が違います。

40℃台 … カルダモン、シナモン、ショウガ

40~50℃台 … オールスパイス、コリアンダー、クミン、クローブ、フェネグリーク 

60℃台 … ニンニク、コショウ

100℃ … トウガラシ

 どれも低温です。だからスタータースパイスを、火にかける前の油に投入して、弱火でじわじわ熱していく必要があるんですね。

 スパイスカレー作りの中盤で投入するパウダースパイスですが、これも低温で抽出するのが正解です。パウダーは焦げやすいからという理由もあります。

香りのスパイスを使う時の注意点

 香りのスパイスの成分は揮発性です。つまり勝手に空気中に拡散してしまうので、投入するタイミングが大事になってきます。例えばカルダモンの香りを強く出したいなら、調理過程のなるべく後半に入れてあげるといいということになります。また、香りの成分は、高温で加熱すると芳香性が弱くなってしまいます。火力に注意が必要ですね。

色みのスパイスを使う時の注意点

 色みのスパイスは、水に溶けるもの油に溶けるもの(アルコールは今回は省きます)があります。同じ黄色でも、サフランは水に溶けますが、ターメリックは油にしか溶けません。なので、サフランは炊飯器に米と水と一緒に入れるだけで黄色いサフランライスができますが、ターメリックライスの場合は、バターを一緒に入れる必要があるわけです。あとマニアックですが、ターメリックは料理が酸性かアルカリ性かで色みが変化するそうです。あとパプリカの成分も油に溶け水に溶けないタイプです。色み成分は、高温で加熱しても色が変化します。

辛味のスパイスを使う時の注意点

 辛み成分は、熱に強いもの弱いものがあります。弱いのはマスタード・ニンニク、強いのはコショウ・ショウガ・とうがらしです。玉ねぎやニンニクの硫化アリルは辛み成分の一つです。加熱によって辛みが失われますよね。

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