黄身がとろーりの半熟卵の作り方と卵の科学
半熟卵はカレーを10倍美味しく見せてくれる
スパイスカレーのトッピングといえば半熟卵。でも固ゆでになったり、緩すぎて殻をむくときに崩れたり、殻が剥けにくかったり、ゆでている途中で割れてしまったり…。問題なく作るには意外と難しいです。今回は、卵のことをよく知ることで、ちょうどいい半熟卵を作れるようになりたいと思います。
卵が固まる仕組み
卵が固まるのは、卵にふくまれるたんぱく質が、加熱されることにより変性するためです。これを「熱凝固性」といいます。卵黄と卵白は含有するたんぱく質が違うので、固まる温度が違います。
〇卵黄 → 65~70℃
〇卵白 → 75~80℃
卵黄の方が凝固する温度が低いので、先に固まってしまうように思います。しかし実際は、卵の周りから温まっていくので、卵白から固まっていきます。
でも、凝固する温度を知っていれば、卵黄だけ固めることもできます。湯の温度を65℃以上75℃未満にキープして時間をかけて温める方法です。これでできるのが、温泉卵ですね。なるほど~。
ゆで卵が割れる原因と殻が剥けにくい原因は同じ!?
ゆで卵がゆでている最中に割れてしまったことはないですか?これについても調べてみました。卵が割れるのは、中に含まれている二酸化炭素の膨張が原因のようです。二酸化炭素は温まると膨らみ、殻の中に納まりきれなくなった結果、殻を割ってしまいます。
また、割れなかった場合でも二酸化炭素は膨らんでいるので、内側から殻をぎゅうぎゅうと押している状態になっています。これが殻が剥けにくい原因のようです。
これらを踏まえて、いろいろ試した結果、うまくいく方法が見つかりましたので紹介します。
下準備
〇卵(Mサイズ) → 冷蔵庫で冷やした状態のものを使う。 割れ防止と殻が剥けやすいようにするために、卵の底の部分に押しピンで穴をあける。
〇鍋に水 → 卵が没する程度の量を入れる。
〇タイマー → 6分30秒
〇ボールに氷水 → 卵を急冷するために、氷水を卵が充分つかる程度入れる。
〇ざる → 卵をあげる用
調理
①湯を沸かし、沸騰させる。
②卵を入れる。水温が下がらないように注意!タイマーのONも忘れないこと!
③ボコボコと泡が上がるくらいの火力に調節する。
④6分30秒たったら、ざるの卵を移し、すぐ氷水に入れる。
出来上がったら
殻は向くときは、水中で剥きます。殻と身の間に水が入り込んで綺麗に剥けます。でも一気に剥くと卵が割れてしまうので、少しずつ剥くようにして下さい。
剥けた卵を切るときは、包丁では潰れやすいです。細い糸や専用器具を使うときれいに切れます。半分に切るならおすすめは、こちら↓。食洗器で洗えます。
卵をビニール袋に入れて麺つゆに一日漬ければ、味玉の完成です。麺つゆの濃度は2倍濃縮がいい感じです。
今回の参考資料
理系の理想の働き方を考える研究所「リケラボ」