炒め完了の合図は、「色」ではなく「見た目」と「香り」と「刺激」の変化!
見本と同じ色になったのでOKかな?は、実はOKじゃないかも!
「色」はあくまで参考程度に
今日は、材料の炒め具合の目安についてです。例えば玉ねぎの場合、いろいろな本やネット上で、「これぐらいの茶色ですよ」という目安の写真があげられています。私自身もこのブログの『』という記事で載せているのですが、「色」については正確にお伝えできていません。というのも、撮影時にカメラが露出やホワイトバランスの補正をしてしまうので、実際の「色」とは違う「色」になってしまうからです。(プロの方はそうではないかもしれませんが)
また「色」は材料の個体差や種類によって変わります。また火力によって、表面だけ変色していている場合も考えられます。これは、玉ねぎだけではなく、トマト、肉など炒める材料すべてに言えることだと思います。
では、何を基準にすればいいのでしょうか?
参考にすべきは「見た目」と「香り」と「刺激」の変化
おすすめの判断基準は3つです。
①「見た目」の変化
②「香り」の変化
③「刺激」の変化
この3つの変化を基準にすることで、充分に水分や雑味をとばすことができたかが判断できます。
①「見た目」の変化について
「見た目」の変化で、水分がとんだかどうかが判断できます。「見た目」は、「材料の見た目」と「油の見た目」です。
私の場合、玉ねぎはいつも繊維を断つ方向のスライスの状態で炒めますが、そのスライスから水分がとぶと、糸のように細くなります。すべてが同時に糸状になるわけではありませんが、糸状のものが出てきたら、そろそろだなと判断します。みじん切りの場合は、私にはわからないので、どなたか情報をください。
もう一つが「油の見た目」です。初めは油は材料の表面を覆うように付着しますが、水分が十分にとんだ時点から、材料の淵でぷつぷつしてきます。それが合図です。
トマトや肉も、同じように「油の見た目」の変化で判断できます。
②「香り」の変化について
「香り」の変化で、水分がとんだか、雑味はとんだかを判断できます。「香り」とは、水に溶け込んで蒸発する成分と揮発する成分を鼻で感じられるものです。炒め始めは、「香り」には雑味が含まれています。それが徐々に香ばしさを含む「香り」に変化していきます。香ばしさは、メイラード反応由来のものです。メイラード反応は160℃より高い温度で進むものなので、水分がとんだということがわかりますね。これは玉ねぎ、トマト、肉のすべてで通用します。
③「刺激」の変化
「刺激」は、雑味がとんだかどうかを判断できます。「刺激」は、蒸発・揮発する成分を、目や鼻で感じられるものです。玉ねぎやニンニクには、硫化アリルが含まれています。これは目に沁みたり、鼻をつーんとさせたりする「刺激」のある成分です。炒めているときもこの成分を湯気から感じることができるので、湯気からこの「刺激」がなくなれば、雑味がとんだと判断できます。
さいごに
これら3つの判断基準を合わせることで、いつもばらつきのない味が出せるようになると思います。また調理が安定することで自分の基準が生まれて、炒め具合のコントロールができ、味の変化を楽しむことができると思います。一度、この3つの判断基準を一例として試してみてください。